●あ

・雨に踊る天使 <アメニオドルテンシ>

「あっめあめふーれふーれ、かーさんがー」

 天使の形をした、上級魔物。

 名は雨に踊ると謳うが、実際には雨を伴い現れる。それもただの雨ではなく、ノアの方舟で降ったとされる洪水を引き起こす。その意味では、広域攻 撃、地下攻撃には非常に優れた個体である。

 弱点は、本体である天使体の攻撃・防御力が非常に低いこと。しかも、必ず洪水の真ん中に飛んでいる(彼女を中心に洪水が起こるとも言う)ので、バ ケツをひっくり返したような水塊を避けながら、半径10kmの洪水地帯を越えることさえできれば、倒すことはさほど難しくない。

 ただし、幾ら「剣」、「堕」、「鏡」の三強には劣るとはいえ、非常に危険度が高い魔物であることは間違いない。


●い

・イミーヌ  <イミーヌ>

「Order me. Oder me, my lord. わたしの全ては貴女のためにあります。貴女は、ただわたしを使ってくれればよいのです」

 ナピィカ専用リンカー

 彼女のサポートに全霊を懸ける存在であるが、高度な知性を備えた機械生命体であるので、彼女の意に多少背いても、その救命に当たることもある。

 人型を取る時には、執事のような堅い服に身を包んだ、長い黒髪の麗人。ジュ○ヴィエーヴ・コ○フォードを思い浮かべると分かりやすいかもしれな い。ただしジャッ⑨がいないので、悪魔は出せない。いても、出ない。



●う

●え

●お

●か

・『鏡』の貴婦人 <カガミノキフジン>

「鏡よ鏡、この世でもっとも美しいわらわを映すがよい」

 最強とされる、三体の魔物の一角。

 薄絹のみを体にかけた美女の姿を取っており、その二つ名である『鏡』でできた城で日々美しい物を眺めている。そう、自分を。

 だがただのナルシストではない。その正体は、核兵器数十発の攻撃を受けても無傷、某超大国を一体で崩壊させた怪物である。

 能力は、鏡に相応しく、反射と複製。ありとあらゆる攻撃を跳ね返し、ありとあらゆるものを写し取ることができる。

 もっとも後者は、単純なものではなく生き物の場合、そのピークを写さなければ幾らかオリジナルより落ちるという弱点がある。そうした場合にも何か しらの対策があるらしいが……?

 0話で、ナピィカと自分を移動させたのは、合わせ鏡の秘術。ほんの少しずれた世界に移動する、 『鏡』の貴婦人の三つ目の力である。

●き

●く

●け 

●こ

●さ

・サイ <サイ>

 才能ある者達、異才、サイコキネシスト……。元になったと言われる言葉が多すぎて、どれが本当なのか不明である。

 だが、共通していることは、サイという言葉が、超能力者を指すと言うこと。タネも道具もなしに火を出す、水の球を作る、空を飛ぶ、な どできる者達が、サイと呼ばれる。獣に変わるとか、千里千年を見通す未来視を持つ能力者もいると言われるが、真実かは定かではない。

 しかし超能力者といえども、基本的に能力は強くないのが現実である。前述の火のサイでも、マッチの方がマシという能力者の方が多い。

 寧ろそれら固有の能力より、彼らに共通する能力、高度再生力、不老、といったものが、優れていると言えるだろう。

 それでも、いや、だからこそ彼らはサイではない者達に恐れられているのかもしれない。


●し

・刺刀  レオナ  <シトウ レ オナ>

「ああ、いいわね。言ってみたかったのよ、"こんなこともあろうかと"……」

 魔法エネルギー(魔力)の発見と、リンカーの開発に非常に貢献した女性博士。身長=やや高め。体重=軽い。

 細い眼鏡と白衣は標準装備。たまに飛ぶと言われている。精神的にも物理的にも。

 甘い香りのする煙草を好んで呑む。ただし、子供の前では吸わない。冷たい感じを受ける外見とは裏腹に、結構子供好きなのである。

 リンカーに限らず、様々な研究や開発を行っている女性だが、彼女の至上の目的は科学の追及ではない。

 この世に生を受けることのなかった、我が子の生誕こそが、彼女の目指すゴールである。

 

・シリン ダー  <シリンダー>

 魔法エネルギーを蓄えておける特殊合金製の筒。形状や大きさは電池に準拠している。無論、エネルギーの貯蓄量は桁が違う。単三型が一本あれば、六人家族 の一日分のエネルギーを賄える程である。

 蓄えている魔力を熱や電気など、違う形で取り出すことも可能だが、その場合には、リンカーが必要である。

 当然ながらエネルギーは使用するほど減っていく。だが、使用しないで放置しておけば空間中の魔力を吸い、勝手に充電(充力?)する特性を持っている。

 注意すべきは、充力するにはシリンダーの中に多少の魔力残がなければならないということである。

 トリガーモード/シリンダー内のエネルギーを一度に全て使い切る使い方をすると、幾ら放置してもシリンダーは復活しない。

 もし魔力残量がゼロになった場合(これを無魔力状態という)は、他のシリンダーからトリガーモードでエネルギーを移し替えるか、販売 元に持っていき、復帰して貰う必要がある。ちなみに前者の場合は、一本のトリガーモードで複数の無魔力状態を復帰可能である。

 ニーラの戦士達は、最低でも一本のシリンダーをトリガーモード用に残しておくように戦う。

●す

●せ

●そ

●た 

●ち

●つ

・月白白亜 <ツキシロハクア>

「ソーラーチャージ完了! みんなー。でぇっかいの、いっくよー!」

 ニーラの総隊長兼隊長。

 ナピィカと同じ年で、同様に外見が年齢に合っていないが、こちらは多少上。高校生程度には見える。

 外見からは想像できないが、総隊長を務めるだけあって、彼の組織でもっとも事務処理能力と戦闘能力に優れている。ナピィカもリンカーありで模擬戦 を幾度となく行っているが、一度として勝てたことがない。

 しかし信じられないことに、自他共に認める、才能なし能力なしの無能者でもある。

 それでも尚、彼女はニーラで最上に君臨する。孤高の女王を支えるのは、ひたすらという言葉すら生温い、長時間に及ぶ訓練のみである。

 変身後は、ナピィカと同様の白い装甲服。そして名字にあるのは月なのだが、なぜかブラックサンの称号を得た模様。不思議。


●て 

●と 

●な

・ナピィカ・カム トゥユン <ナピィカ・カ ムトゥユン>

「全て終わったら、またあたくしと一緒に歌って下さいますか? 母様、父様、そして……お兄様」

 特別指定災害対策組織『ニーラ』の試験部隊副隊 長兼総副隊長。総副隊長と副隊長を兼任しているのは、ただ単に人員が足りないからである。

 年齢は二十五の筈だが、外見上は小学生にしか見えない。彼女曰く、「自分の時間を止めた」ため。レオ ナ博士によると、過去の経験による非常に強い強迫観念により、彼女 の持つサイとしての能力が暴走していると推測されている。

 しかし眼光の鋭さや、黒き手足が生み出す力は、小学生などではない。彼女は、復讐のために生きる一体の獣である。

 

●に

・ニーラ  <ニーラ>

 大規模な実験部隊であり、しかし、世界に類を見ない超技術により、現存するどの軍隊よりも効率的な魔物の駆逐を実現している。

 彼らが持つ魔術と呼ばれる技術は歴史を変えうるものであるが、現在はまだ実験段階である。
 

●ぬ

●ね

●の

●は

●ひ 

●ふ

●へ

●ほ

●ま

・魔術  <マジュツ>

 『魔法エネルギーを使用した科学技術』の略。名前の通り、魔法エネルギーを利用することにより実現された、様々な科学技術を指す。

 魔術を利用した機械等は、高出力でありながら環境を壊す不要物を出さない。

 また、魔術攻撃でなければ魔物にダメージを与えることも出来ないため、対魔物戦では必須のものとなっていくだろう。

 ちなみに、魔術の基本的な考えとしては、足りないなら余所から足すということが挙げられる。シリンダーに込めている魔力/魔法エネルギーよりも、 大きな力を引き出せる理由は、シリンダーの物を種火に、周囲の魔力/魔法エネルギーに着火しているから――といえば、お分かりいただけるだろうか。

 バランスを崩し、小のフィールドに大のエネルギーを持ってくるからこそ、自然に逆らうという意味で、"魔"術とも呼ばれるのかもしれない。

 

・魔術師  <マジュツシ>

 魔術の仕組みを理解し、応用ができる人材のこと。魔術は誕生して間もないため、正しく理解できている人間が少ない。

 魔術師と呼ばれるレベルにまで達しているのは、レオナを含め世界でも数人しか居ない。

 

・魔 術使い  <マジュツツ カイ>

 魔術の仕組みをある程度理解し、使用することができる人材のこと。魔術師と違い、新しく何かを作ることはできない。ただしリンカーが居なくても、魔術を 使えるため、一般的な魔術利用者よりはレベルが上である。

 

 

・魔法  <マホウ>

 魔法という言葉には二つの意味がある。一つは夢物語に登場するような何でもできる力。もう一つは、魔物という人間の恐るべき敵が使用する力である。こち らでは後者の説明を行う。

 魔力からなる魔法の力は非常に強大である。魔法を扱う魔物の中でも上位体と呼ばれるものになると、核爆弾の炸裂に耐えてみせたり、或いは単体で一国を滅 ぼすなどといったことを容易に行って見せる。

 元々は、魔法使いと呼ばれる者達もいたが、現在では魔物しか魔法を行使できる存在が居ないため、魔法を使う=魔物という認識が成り立っている。

 

・魔法 使い  <マホウツカ イ>

 かつてはいた、今はいない、魔法を使うことのできる人間達。

 近年まで彼らがいることは殆ど知られていなかったが、魔物の襲撃により魔法が明るみに出てしまい、多くの人間に存在を認識されてしまった。(魔法がある という認識が、魔法使いの存在を確定付けたという説もある)

 彼らの多くは、魔法が使えることから魔物と同じなのではないかと勘繰られ、次々に暗殺された。その様は現代に蘇った魔女狩りであり、今も人々 の心に暗い影を落とす事件となった。

 

 

・魔物  <マモノ>

 人を食らい、魔法を行使する、人類の恐るべき敵性存在。

 下位体でも魔力を体に纏うことによって、驚異的な攻撃力と防御力を備えている。知力は低い。

 上位体(或いは高位体)は、魔力を魔法として顕在することが出来る。魔物の中で数が少ないのが唯一の助けだが、一体で十分に国を滅ぼせる生物であるた め、何ら楽観を許さない。

 上位体は知能を備えているものが殆どであるが、人間のような振る舞いをすることも多く、特に力を持った個体になると、領土を定めて部下を集め、貴族遊び をするものもいる。

 ニライカナイでは、魔物の発見時には素早く報告する為に、ある程度分類分けをする。その内訳は、

 >ランク。上位(=U)、下位(=I)。

 >大きさ。十m以上(=H)、三m以上・十m未満(=B)、一m以上・三m未満(=M)、一m未満(=L)。

 >移動タイプ。陸上タイプ(=L)、水上タイプ(=A)、飛行タイプ(=F)。

 >行動タイプ。攻撃(=O)、防御(=D)。

 これらを並べることにより、簡易的に分類する。その段階で不明なものにはXを割り当てる。例えば、高位体で、大きさが十m以上ある飛行型で、魔法による 攻撃を行う魔物が二体いたとするなら、その略式分類は、1UHFOとなる。

 もっとも、発見→報告の流れで使われるだけで、余り戦闘中には使われない。

例:あのデカブツを叩け!

 言葉はシンプルよりも分かりやすい方がいいらしい。

 


・魔力 <マリョク>

 魔物達が魔法を行使するときに消費するエネルギーの一種。彼らの体を構築する物でもある。

 魔法エネルギーとは同じものだが、人々が魔法に対し忌避感を抱いているため、魔力と魔法エネル ギーは別のものとして扱われている。

 

●み

●む

●め

●も

●や

●ゆ

●よ

●ら

●り

 

・リンカー  <リンカー>

 魔術の利用に欠かせない存在。シリンダーに封入された魔法エネルギーの取り出し、及びその管理を行い、またありとあらゆる機械の操作の代理エージェント でもある。

 シリンダーと機械、或いは人間と機械を繋ぐことから、リンカーという名がついた。正式名称は『人と機械の渡し屋(MAN AND MACHINE LINKER)』。

 名前の響きから、リンカーベルと呼ぶ者もいる。

 戦闘に用いることのできるリンカーを持っているのは、ニーラだけである。

 

●る

●れ

●ろ

・紅の木曜日 <アカノモクヨウビ (ロッター・ドナース ターク)>

 驚異的な生命力を誇る魔物と戦い続け、恐慌に陥ったある国の軍の幹部が自国に向けて核爆弾を撃った(とされている。詳細は不明)。紅の木曜日と は、その日を差す言葉である。

 某国達の放った核は、国を攻めていた下位の魔物をある程度駆逐するという成果を上げるも、上位の個体には全く通用せず。結局大国と呼ばれた国々は、悉く 潰えた。

 一度バランスが崩れたことにより、他の地域でも一気に魔物に押し切られ、幾つもの国が消滅した。人類の暗黒時代の幕開けである。

 

●わ

●を

●ん

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