I  believe  in  you

 

四話 死んでいた夢 (後 編)

 

 

 


右手を伸ばし、見上げていた空に変化が表れた

 

(!?)

 

差し込んでいた光が徐々に消えていく

 

ゾワッ!

 

再び悪寒が走った
少女は周りを見渡して愕然とした

 

『何か』が闇を呼んでいた しかも「何か」が数え切れないほどに増えている

 


いつの間にか自分の周囲は取り囲まれていた
もはや空にしか逃げ道はない
飛べるわけがないと理解しつつも 強く空に手を伸ばす

 

涙を流して

 


少女を取り込もうと 『何か』は手を伸ばしてきた
手が 徐々に迫ってくる

 

少女は『何か』に向かって叫んだ

 

「いや!お願い!こないで!!」

 

「何か」は嬉々として 少女の声を聞いていた

 

叫ぶ

 

「やめて!こないで!お願い!!」
しかし、どんどん光はなくなり闇が広がってゆく

 

左腕をつかまれた
「やめて!!!」
しかし『何か』は放そうとしない

 

「…ゆるして!!!!」
のどからしぼりだすように声を出した
もはや光はないといっていい
目の前には漆黒の闇しか見えない
もうすぐ飲み込まれるだろう…

 

しかし 少女は最後まであきらめない
手を空へと伸ばし続ける

 

強く 強く伸ばし続ける

 

 

 

 

 

少女が何かつかもうと力の限り右手を伸ばしている
その様子を見た少年はイスに座ったまま反射的に少女へと両手を伸ばす
そして
強く握りしめた
少女を助けたいと願いながら…・・
強く 強く握りしめた
少女の手は細く柔らかく…・・あたたかかった

 

切なくなるほど あたたかかった

 

少女が微笑んだ

 

 

 

『何か』が一斉に襲ってきた
恐怖に目をつぶる
空へと伸ばしていた右手もギュッと強くつかまれた

 

(………………)
少女は全てをあきらめて…・・瞳を閉じた

 

……・・しかし……・

 

いつまで経っても 闇は ただ手を握りしめることしかしない
それどころか つかんでいた左手が放された
瞳を開く
(…???…・・!!!!!)

 

手は確かにつかまれている
しかし 『何か』ではない

 

人の手だった
柔らかく 力強さと優しさを感じさせる手だ

 

その手は自分を空へと連れて行こうとする
不思議と恐怖は感じない
ただ 純粋に信じることが出来る

 

手に 全てをゆだねた
空へと近づくにつれ 微笑が浮かんでくる
光が近づいてきた

 

『何か』の姿は消えていた

 

 

 


「……………」

 

ゆっくりと瞳を開く
暖かさに包まれている
手に優しさが伝わってくる

 

視線を移動させると 自分の手を握ってうつむいている少年が見える

 

「…あなたは…・だれ?」
返事がない
不思議に思って下から顔を覗き込む
「?…・!!」
少年は眠っていた
手を握り締めたまま眠っている

 

「……」
なぜか嬉しさがこみ上げる
ずっとこうしていたいと願う

 

光が優しく差し込んでいる

 

(わたしは…・・これがほしかったんだ)
死んでいた『ユメ』がそこにあった

 

夢は 生き返った
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みなさんはじめましてv&wです
コメント書くの遅すぎました
この小説はもともと遊びのつもりで書いていたのですが
だんだん話が膨らんできて「天竜」さんからのお誘いも
あったのできちんと書いてみました
いかがだったでしょうか?
楽しんでいただけたでしょうか?
ちなみにタイトルの意味は「信頼できるあなた」=「あなたを信じる」みたいな感じです
サブタイトルなんですが…・実はサブを書いてから書くのが多いんですよ
だから話の前後が合わなかったりして苦労してます
今回はこの辺で…・・そして、みなさんのご感想を心よりお待ちしています

ケン「アイビリの第四話公開…か。」

ミク「あはは~、家の管理人とは大違い!!」

ケン「…言うのはかまわんが、恐らく今の一言で、お前の登場率三割ダウン。」

ミク「うぐぅ!?う、うっそーーー!!あうぅ…ただでさえ、出番が少ないのに…」

ラス「…と言うか、先ほどから要らない一言を付けていますが…止めましょう。」

ミライ「…まあ、分かる人しか分からないし。」

ケン「ンな事より、小説の考察所だろう、ここは。」

ミライ「…そうだったんですか?」(びっくり)

ケン「…やはり、光の正体は謎の少年か…」

ラス「…はい。あの状況下で考えられる、唯一の人物ですし。」

ケン「分からないのは、あの闇の正体か…気にいらん奴等だったら、俺が殺すがな。」

ミライ「…蟲。それは、気持ち悪かったり、邪魔だったり、あるいは好き好まれるもの。」

ケン「…蟲じゃなくて、無視だろうが。じゃ。v&wさん、次回作をよろしく。」

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