現在時刻は朝の5時。

眠りを心から愛する俺が起きるにはかなり不似合いな時間帯だ。

しかし、俺はこれでもかと言うくらいにはっきりと目覚めている。

理由は分からない。



しかし


「なぜだ・・・・」


今の状況で一つだけ確かなことがある。



それは




月姫

~ある青年の生活における実情とその他~



そのⅠ






俺は異常なほどの喉の渇きを覚え自然に目を覚ました。

急いで台所に行き冷蔵庫の中に入っている飲み物を全部飲む。

ただし琥珀さんが何か細工をしたと思われる飲み物には一切口をつけなかったが・・・。

なんとか渇きを満たしたとたんに恐ろしいほど眠くなってきた。

目の前がぐにゃぐにゃ歪んでまともに立っていられなくて、そのまま台所で眠ろうかと思った。


――しかし


ここに朝一番に来るのは琥珀さん。それは確定した未来。

もし、琥珀さんが倒れている俺を見つけたら





俺に対して何をするのか皆目見当付きません(汗)



何とか気力を振り絞って部屋までたどり着きベッドに倒れこむと



――――俺の意識は闇に堕ちていった。




















そのまま闇に飲まれていたらどれだけ幸せだったんだろう?(泣)
と、俺は後日に思った。




そして冒頭に至るわけで。


今までに無いほど爽快な気分で俺は自然に目が覚めた。

時計を見てみると時刻はAM5:00ちょっと前。

そのまま二度寝したと思ったのだが何故かバッチリ目が冴えていて眠れそうに無い。

しかも今日は休日だ。

秋葉が珍しく寛容になり何時もより遅くまで寝かせてくれる日曜日。


何時もより1時間ほどだが。


しかし!俺にとってはかなり貴重な1時間!!

この1時間を得るために俺がどれだけ苦労したことか・・・・・。




思い出すだけで・・・・・・。



過去のことは忘れよう。人間、 前向き が一番だ。




・・・・・。

とりあえず寝れそうにないし着替えるか。

ベッドから立ち上がって・・・・?

変だ。何時もと視界が違う。


俺は鏡を見る。

そこには―――













ほどほどに胸があり髪が短めの女の子の姿が映っていた。


















俺はこの世界で一番落ち着ける場所で現在の状況を確認することにした。

ちなみにその落ち着ける場所というのはベッドのことだ

自分でも唯一の安らぎの場がベッドということに関しては情けないとは思うのだがそのことに対しては既に諦めが付いている。

が、何故か少しだけ涙が出てきた



ベッドに潜り込んでシーツをかぶって、俺は現在の状況を確認することにした・・・・・。




・・・・・。







「何故、俺は女になっているんだ・・・」





そもそも原因がわからない。

大体 琥珀さんの怪しさ100%の薬が原因 なのがこういうSSの王道 なんだろうが生憎と俺にはそんな心当たりは無い。

だって琥珀さんが一服盛ろうとするときは翡翠がさりげなく教えてくれるから

でも翡翠は秋葉には教えないんだよな(爆)

なんてくだらないことを考えていると


コンコン


「志貴様、朝です・・・。」

翡翠が俺を起こしに部屋へ入ってきた。


や、ヤバイ!


俺はシーツをかぶってベッドにまるまる。

「志貴様・・・・」

翡翠はベッドの脇に立ち俺のことを見ているようだ。もんの凄い視線を感じる


まるで蛇に睨まれたカエルみたいに俺は全く動くことが出来ない。ピクリとでも動こうものなら・・・・視線の先の がどうなることやら。



くい



!?いかん!シーツを取ろうとしている!!

意地何でも絶対にシーツを離す事は出来ない。

こんな姿を見られた日には何を言われることやら。



『志貴さま・・・そんなご趣味があったんですね。

ですが私は志貴さまのメイドです。志貴様がどの様なご趣味を持っていようと忠誠心は変わりません。


ですからご安心ください』




安心なんてできないって!!


シーツを握るてに俺は力を込める。暫くシーツを引っ張っていた翡翠は諦めたのか引っ張るのを止めた。

俺は心底ホッとしてこの後どうするかを考えた瞬間



ぐい





















ホッとして気を抜いていたのは認める。

翡翠が女性だと侮っていたことも確かだ。


だけど・・・。


シーツを掴んでいる 俺ごと 空中に放る力があるとは誰も思わないだろう?

まあ、ベッドに落ちたから全然衝撃は感じないんだが・・・。本当にビックリした。

あ。シーツを剥ぎ取られた・・・・(汗)




ぱさり、と乾いた音をたてて地面に落ちるシーツの音が部屋の中で奇妙なほど響き渡った。






俺の姿を見てシーツを取ったままの姿勢で翡翠は固まっている。

それはそうだろう。

起こしに来たはずの俺のかわりにベッドにいるのは髪が肩まである女なのだから。

「・・・貴女は誰ですか?」

翡翠がまさに身も心も凍る声音で俺に質問・・・いや、尋問してまいりました。

近くにあったイスを掲げて俺に投げる用意しております(泣)

「翡翠さん、おはようございます!」

シュタっと片手を上げて何時もどおりのさわやかな(普段とは全然違う高めの声で)挨拶をする。


そんな俺に対して翡翠さんはとても綺麗な笑顔と






「貴女を犯人です」  


そんなセリフと


ゴッ!!!!


すとら~いく・・・・

素敵なほど思い切り投げたイスで俺の挨拶を返してくれた。



そして俺は気絶した。









床の上で気が付いた俺の周りには秋葉、琥珀さん、翡翠の三人が素敵なくらい身体に悪いオーラを放ちながら俺を睨んでいた。


髪を真っ赤にさせた状態で秋葉はそのまま凍らせるほどの冷たい眼差しで俺を睨む。

琥珀さんは「あは~」と笑っている。いや、嘲笑っている。

翡翠は何時もの無表情さが嘘のような鉄仮面ぶり。


先生、俺は精一杯生きましたよ。あ。四季と弓塚さんが手招きしている。


パジャマ姿で全身をぐるぐるとロープを巻かれたあげくに口をさるぐつわと布で塞がれた俺は声も出せない。


あと呼吸もあまりできない



「さ~て・・・この女をどうしてやりましょうか」

秋葉・・・・その笑顔が今はお兄ちゃんは怖いよ。

「あは~♪ 秋葉様、いい薬がありますよ~♪」

・・・・琥珀サン。ソノ『紫色』ノ薬ハナンナンデスカ?

「姉さん。それは一体何なんですか?」

ナイスだ翡翠!!

「翡翠ちゃん。この薬はねー?

強力な自白剤で打たれたら何でもかんでも洗いざらい喋っちゃって 脳の神経が焼ききれちゃうの♪







ちょっと待てー!!!!!

何でそんなシオンのエーテライトも真っ青な代物を持っているんですか!?

そ、そうだ。こんなこと秋葉と翡翠はきっと反対してくれるに――


「それは良いわね。さっそく実行して頂戴」

「姉さん素敵です」




二人とも乗り気だし!?


そ、そうだ。琥珀さん、冗談ですよね? ね?



「あはー♪」



だ、ダメだ・・・目が笑っておりません(大泣)


誰か助けてくれー!!!!


必死になって暴れようとして秋葉に髪を巻かれ翡翠に俗に言うマウントポジションという2人のナイスコンビネーションに押さえつけられて指一本も動かすことが出来なくなった俺今まさに琥珀さんに薬を打たれようとしたとき



「・・・何をやっているんだ?」


それを誰かが止めてくれた。

って、なんだか何処かで聞いたような声だな・・・?


「兄さん、この女のことを説明してもらえますか?」

「志貴様、不潔です。」

「志貴さん。ごまかしたりしたらいけませんよ?」


三人とも何を言っているんだ?


俺はここでキミタチに縛られているじゃないですか(泣)























「ああ、コイツか。決まっているだろう? 俺の 嫁さん




 



後書き

v&wというものです。

初めて書いた月姫SSはどうでしたでしょうか?楽しんでいただけたのなら満足です。

この作品は掲示板に書いた作品の加筆修正となっていますのでオチが知りたい人は読んでくださっても結構です。

できれば全て書き終ってから読んで欲しいです(笑)

とりあえず次回も続きます。


ミライ:…朝起きたら~、わったしの体が~…♪

ミク:…うぐぅ。お姉ちゃんに逆の事された記憶があるんだけど。

ミライ:(ピタッ)―――どうやら忘れ薬が足りなかったみたい。

ミク:にっ!? う、な、なんの事~?

ケン:―――馬鹿かお前らは。

ラス:そうですね。遠野さんが大変な目にあっているというのに。

ミライ: …よし。私がちょっくら…

ケン: …行くなよ?

そのⅡへ

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